【技術リリース】流体ミスト|ミストの塗布性とミルクの質感設計を両立する開発アプローチ
流体ミストという発想|ミストの塗布性とミルクの質感設計を両立する
ダメージ毛の特性を踏まえたヘアケアでは、補修成分の選択だけでなく、毛髪全体に均一に塗布しやすい剤形と、塗布後のおさまり感を両立させることも重要です。SPIRITS PROILでは、この課題に着目し、軽いミルク感を持ちながら、トリガー式容器からミストとして噴霧できる機能性を「流体ミスト」という概念で展開しています。
1. ダメージ毛のケアと水系ミストの利点
ブリーチやヘアカラーなどの化学処理によって毛髪がダメージすると、毛髪は水になじみやすくなり、水分の吸収や膨潤の影響を受けやすくなります。
こうした毛髪のケアでは、補修成分を配合するだけでなく、毛髪全体に剤を行き渡らせやすいことも重要です。ミストタイプは、広範囲に噴霧しやすく、毛束全体への塗布操作を簡便にできる利点があります。
2. ミストの塗布性とミルクのおさまり感
一方、水のように粘性が低いミストは、塗布後の質感やおさまり感に物足りなさを感じる場合があります。これに対し、ヘアミルクのような乳液状の製剤は、粘性や配合成分を利用して、柔らかさやまとまり感などの仕上がりを設計しやすいという利点があります。
しかし、ミルク状の製剤は、毛髪全体に均一に塗布するためのテクニックが必要となる場合があります。つまり、ミストには塗布性、ミルクには質感設計という、それぞれの利点がある一方、両者を同時に満たすには剤形上の工夫が必要です。
3. 軽いミルク感と噴霧性を両立する「流体ミスト」
この課題に対して着目したのが、軽いミルク感を持ちながら、トリガー式容器から噴霧できる流動性です。
液体の粘성은、噴霧時の液滴形成も影響します。ただし、噴霧性能は粘性だけで決まるものではなく、液の物性とトリガーとの適合性が重要となります。
また、毛髪への成分の移行や浸透は、粘性だけでなく、成分の分子特性、溶媒、毛髪の損傷状態などにも左右されます。流体ミストは、噴霧による塗布のしやすさと、ミルク状の液性による質感設計を組み合わせるという考え方です。
4. オイルとの役割の違いと組み合わせ
毛髪用オイルには、種類によって毛髪内部への浸透が研究で報告されているものがあります。一方、オイルの重要な働きは浸透だけではありません。毛髪表面への付着による潤滑、摩擦の低減、指通り、ツヤ、まとまり感も仕上がりを左右します。
実験条件下で確認された浸透性が、洗い流さないトリートメントの通常レベルの使用量でも同程度に得られるとは限らず、油種、配合濃度、使用量、塗布条件を区別して考える必要があります。
そのため、オイルは単独で使用することもできますが、水系ミストを使用した後、さらにまとまり感や滑らかさを求める場合に補助的に組み合わせる方法もあります。水系ミストとオイルを一律に優劣で捉えるのではなく、それぞれの剤形と成分が担う役割を考えることが重要です。
5. VIGUSI PLEX・VIGUSI ウルフォフ5への展開
軽いミルク感とミストとしての噴霧性を組み合わせる「流体ミスト」の概念を製品として展開したのが、VIGUSI PLEXとVIGUSI ウルフォフ5です。
ダメージ毛の特性を踏まえ、補修成分の選択、毛髪全体への塗布性、塗布後の質感を総合的に考える。流体ミストは、ミストの利便性とミルクの質感設計をつなぐ、SPIRITS PROILの製品開発アプローチです。