【開発者が解説】ヘアオイル・ミルク・ミスト
あなたの髪に合う「正解」の見つけ方
「美容師おすすめ ヘアオイル」で検索し、高評価の製品を試しても「なぜか自分の髪には合わない…」 そんな経験はありませんか?
この記事では、単におすすめ製品を並べるのではなく、開発のプロがヘアオイルを中心に、他のアイテムとのかかわりや、アイテムの選択基準を優しく徹底解説します。
「実は、あなたの髪の悩みにはヘアオイルが最適ではない可能性もあります。」という視点も、ヘアオイルを深く理解するためには必要です。 結果として、あなたのヘアケアスキルは確実に向上します。

専門家と美容師が教えるヘアオイル選び27の視点
ここでは美容師の意見も参考にしながら製品開発で注目する27の視点を公開します。
大切なのは、ヘアオイルに全てを求めないこと。
この視点を知れば、あなたに必要なケアの本質が見えてきます。
ヘアオイルに外せない要素を一つ上げるなら可塑剤機能です。 パサつきや、広がりを落ち着かせることがヘアオイルの大きな目的です。 髪を柔らかくする機能で、毛先あるいは全体を落着かせます。 それが可塑剤(柔らかくする)機能です。 そして、このレベルが重要なのです。 エモリエントだけでは不十分です。
エモリエント効果(保湿・乾燥抑制)
潤いを守るヘアオイルの基本機能:▶タップ
ヘアオイルの基本は、油膜で髪の水分の蒸発を防ぐエモリエント効果です。 重要なのは、ベタつかずに潤いを持続できるかという点です。
しかし、髪内部が砂漠のように乾いている場合、オイルで蓋をするだけでは不十分です。 まずは水分補給ができるミストや保水ミルクを使い、その上でオイルを重ねるのがおすすめです。 勿論、ヘアミストやヘアミルクのみで満足できるなら、ヘアオイルは必要ありません。
深刻なパサつきへのアプローチ | 可塑性
内部補修と外部保護の連携プレー:▶タップ
ひどいパサつきは、髪内部の栄養が流れ出ているサインです。オイルで油分を補うだけでは根本解決になりません。
内部補修成分(結合ケラチン、アミノ酸、プレックス成分、セラミドなど)が豊富なミストで内部を満たし、オイルはあくまで「仕上げの保護膜」として使うのが、美容師もおすすめする賢い使い方です。
ハイダメージならVIGUSI PLEX、ミドルダメージ程度ならVIGUSIウルフォフが候補になります。さらにオイルが必要だと感じればVIGUSI OILです。ミストタイプで満足であれば、ヘアオイルは必要ありません。これがヘアケアの基本です。
それでは、なぜVIGUSI OILなのでしょうか。 それは主剤オイルに可塑剤(柔らかくする)機能があり、パサつく髪を柔らかくしておさまりを良くできるからです。 使用目的(おさまり)を考えると、ヘアオイルにはこの可塑剤機能が非常に大切なのです。 エモリエント効果だけなら、多くのオイルが持つ特性にすぎません。 ボタニカルオイルのPROILも同じ理由で、ホホバやアルガンより優れた可塑剤機能を持つマカダミアを主剤にしています。
うねり・くせ毛への対応
湿気を制して、まとまりをコントロール:▶タップ
うねりの原因として、髪内部の水分バランスの乱れは無視できません。 ヘアオイルは表面をコーティングして湿気の影響を抑えますが、一般的にオイルだけでクセやうねりを矯正することは出来ないと考えましょう。
オイルの重さで物理的に抑える方法もありますが、軟毛の方はペタッとなるリスクも伴います。 クセ毛の場合、縮毛矯正が最も分かりやすい解決策です。その後のダメージケアとしては、VIGUSIウルフォフかVIGUSI PLEXが好適です。
毛量が多く、日によって「うねり」や「広がり」が出る場合は、保水力に優れたジェルミルク「ドロップエッジ」を単品で使うアプローチもおすすめです。
多くの方はヘアオイルを選びがちで、それが正解の髪質もあります。 しかし、うねりもクセも、その振る舞いには「水」の存在が不可欠です。 保水成分(単なる保湿成分ではなく、毛髪内外の水分を維持する成分)と、それを閉じ込めるオイルの疎水シールドが必要になります。 これを一つにしたのがドロップエッジです。
毛量が少ない~普通程度ならVIGUSIのミストタイプから始め、必要に応じてヘアオイルを検討するという順番が合理的です。
エイジングによる髪の変化
失われたハリ・ツヤを取り戻す:▶タップ
年齢と共に気になるハリ・コシの低下やパサつきには、熱で補修効果が高まるエルカラクトンが優れており、エイジング毛のケアにおすすめの成分です。 VIGUSIシリーズ3種すべてに配合しています。 使用時のポイントは、ドライヤーでしっかり熱を与えるか、ヘアアイロンを使うことです。
もう一つ、毛髪を強くするセラミドも欠かせない成分です。 加えて、毛髪内部へ効率的にアプローチするには、ナノ化された成分の確実性が期待できます。
「低分子量だから毛髪に浸透する」という表現を見かけますが、「分子量」は大きさではなく質量を指し、「ナノ」が大きさを表します。 8種のナノ成分を配合したVIGUSIミスト2種が良い選択肢となるでしょう。
髪の内部補修
成分を髪の芯まで届ける技術:▶タップ
本気の内部補修には、浸透しやすいナノ化成分が不可欠です。 オイルは、これらの成分を届けた後の「蓋」として、ミストでは物足りない時に追加するのがおすすめです。
「オイルは浸透する」という謳い文句もありますが、「浸透性の実験」と「実際のヘアケアで使用する量」とでは条件が異なるのではないでしょうか。 もし条件が違う比較なら、現実的にどれほどの意味を持つのか疑問が残ります。
スピリッツのミストタイプは、8種のナノ成分(脂質含む)、結合ケラチン、プレックス成分、エルカラクトン、そして両親媒性浸透促進成分(VIGUSI全種に配合)などを用いて内部補修にアプローチします。 推奨濃度を配合した美容室専売品として人気があります。
髪の表面補修(キューティクルケア)
指通りと輝くツヤのメカニズム:▶タップ
ヘアオイルが最も得意とするのが、傷んだキューティクルをコーティングし、滑らかな指通りとツヤを与えることです。 ただし、これはあくまで物理的な補修であり、本当の意味でのケアではないことを理解しておきましょう。
キューティクルの補修には、クオタニウム-33(18MEA)やエルカラクトンといった成分があります。 特にエルカラクトンは、使うほどに効果が高まる特性があるのでおすすめです。 VIGUSIのミストタイプに配合しており、キューティクルの接着を助け、艶にも貢献します。
外的刺激からの保護(カラー保持)
湿気と褪色から髪を守るバリア機能:▶タップ
オイルが作る保護膜は、湿気から髪を守り、ヘアカラーの流出を緩やかにします。 しかし、色持ちを最優先するなら、カラーケア専用シャンプーの使用が最も効果的で不可欠です。
VIGUSI OILの主剤(疎水シールド機能)は、色保持性と湿度耐性に優れたエステルであり、しかもビルドアップ(蓄積)しません。 VIGUSIのミストタイプでは、シリコーンエマルジョンでこの機能に対応します。
ビルドアップ(過剰な蓄積)
ゴワつきを防ぐための注意点:▶タップ
特定のコーティング成分は髪に蓄積(ビルドアップ)し、ゴワつきの原因になることがあります。 これを避けるには、定期的なクレンジングシャンプーの使用や、洗い流しやすい処方のオイルを選ぶことが大切です。
ヘアオイルはオイル原液の組み合わせですから、ビルドアップしにくいタイプの選択は重要です。 全成分表示を見て、特に主剤レベルでどのような成分が使われているかを調べると良いでしょう。
指通りの良さ
心地よい手触りとその持続性:▶タップ
滑らかな指通りはヘアオイルの大きな魅力ですが、その効果がどれだけ持続するかも重要です。 揮発性を主剤とするヘアオイルは、つけた瞬間は良くても、10分も経つと物足りなさを感じることがある、という意見を美容師がお客様から聞くことも稀にあります。
ツヤとテカリはヘアオイルの使い方による
上品な輝きと不自然なテカリの境界線:▶タップ
理想は、髪本来の自然なツヤです。過度なツヤは、不自然な「テカリ」に見えてしまいます。 オイルの種類や量を調整し、上品な仕上がりをコントロールしましょう。
美しい艶感を出す基本は「均一な塗布」です。テカリとは、オイルが一箇所に偏って付着する現象に他なりません。 製品によって適量は異なりますが、均一に塗布することが原則です。
揮発性オイルが主剤の製品は、塗布後に髪に残るオイル分が少なくなるため、「挟み込む」「握りしめる」といった付け方を意識することがあります。 これはイメージとして強引に付ける感覚に近いもので、全てのヘアオイルに共通するテクニックではありません。
おさまり・まとまり
広がる髪を落ち着かせる技術:▶タップ
髪の広がりを抑える「おさまり」は、ヘアオイルの重要な役割です。 これを最大限に引き出す秘訣は、製品の種類に関わらず「均一に塗布すること」に尽きます。
先にも述べましたが、揮発性オイルが主剤の場合は、毛先を握りしめるような塗布も意識的に必要になります。 しかし、毛量が多い場合は、保水ジェルミルクの「ドロップエッジ」も試す価値があります。 これはオイルと保水機能に優れた成分を組み合わせたヘアミルクで、パサつき、うねり、広がる髪に必要な「内外の水分保持」に応えます。
オイル原料の品質
精製度が使用感を左右する:▶タップ
特に植物性オイルは、精製度によって安全性や使用感が大きく変わります。 高品質な精製オイルは、アレルギーや酸化のリスクが低い傾向にあります。
スピリッツのボタニカルヘアオイル「PROIL」は、高品質な精製オイルをベースにしています。
同じ成分表示でも、植物油に限らず、原料の品質は製品ごとに異なります。 そして、その品質レベルの表示義務はありません。これはブランド側のトップシークレットとも言え、逆に言えば、高品質な原料を使用する製品は、その点を積極的にアピールするものです。
コストパフォーマンス
容量ではなく「1回の使用量」で考える:▶タップ
高濃度な「エキスタイプ」のヘアオイルは、1回の使用量がごく少量で済むため、結果的に長持ちし、コストパフォーマンスに優れることがよくあります。 PROILとVIGUSI OILは、数滴で十分な効果を発揮する髪質の方も多く、製品容量と価格だけでは本当のコスパは判断できません。
ザラザラした感触
シンプルな処方の良さ:▶タップ
成分数が多いからといって、良い製品とは限りません。 高品質な原料を、バランス良くシンプルに配合した製品の方が、滑らかな使用感が得られることもあります。 スピリッツでは、表示成分を飾るためだけのキャッチーな処方は採用しないというポリシーを持っています。
ヘアオイルなのにザラつきを感じたことはありませんか? これは主剤の特性である可能性があり、それを補正する成分を追加した結果、全成分数が多くなるケースもあります。
では、なぜザラつく可能性のあるオイルを主剤にするのでしょうか。 例えばベビーオイルは安全性を優先しますが、毛髪用としては機能的に不十分なことが多いです(一概には言えませんが、ヘアオイルより安価な傾向があります)。製品開発では、機能性と使用感のバランスが常に問われます。
総合的な使用感
毎日使いたくなる心地よさ:▶タップ
伸びの良さ、なじみやすさ、仕上がりの質感など、総合的に「心地よい」と感じられる製品が、あなたにとってのベストなヘアオイルです。 VIGUSI OILは一度試す価値があります。
ミディアムヘアなら2~3滴で十分な方も多く、ポンプ式容器で1、2プッシュするのとはレベルが違います。 薄く均一に伸ばすことが、秀逸な艶と指通りを引き出すポイントです。
手軽さ
日常使いでの最大のメリット:▶タップ
ヘアオイルが多くの人に愛用される最大の理由の一つが「手軽さ」です。 手早くまとまりとツヤを与えてくれるため、忙しい朝のスタイリングや、日中のパサつきが気になった時の応急処置として大きな魅力があります。
ボタニカルヘアオイルは、スタイリングの仕上げに使うのが基本です。 また、パーマスタイルには意外とオイル選びが重要で、髪を柔らかく保湿するタイプのボタニカルヘアオイル(PROILなど)を使うと、綺麗なウェーブが出て持続しやすくなります。 夜にはシャンプーでしっかり落としましょう。
髪の落ち着きの持続性
広がりを抑える「重さ」の重要性:▶タップ
髪の広がりを長時間抑えるには、ある程度の「重さ」を持つオイルが髪表面に留まることが重要です。 軽いオイルで物足りない方は、保湿力のあるタイプを、使用量を守りつつ均一に分散させて使うのがおすすめです。 その方が、持続性とコストパフォーマンスの面で有利な可能性があります。
一方、毛量が少なめの方は、揮発性オイルベースの中でも軽いタイプが選択肢になります。 もしケアも必要であれば、ミストタイプの方が向いている傾向にあります。
熱からの保護(アイロン・ドライヤー)
熱を味方につけるケア:▶タップ
熱保護をうたう製品を選ぶのはもちろんですが、エルカラクトンのように熱で補修効果が高まる成分が配合されたヘアオイルは、アイロン使用者にとって特におすすめです。 エルカラクトンは、使えば使うほど効果が増し、古いものは順次剥がれ落ちていくという特性があり、これが推薦する理由です。
加水分解への耐性
湿気による品質劣化:▶タップ
一部のオイルは水分によって劣化(加水分解)することがあります。 品質を保つため、浴室など高温多湿な場所での保管は避けましょう。
酸化への耐性
油臭さや刺激を防ぐ鮮度:▶タップ
特に植物性オイルは酸化に注意が必要です。抗酸化成分が充実した製品を選び、開封後は早めに使い切りましょう。
ネット情報には「ホホバはロウエステルだから酸化しない」「アルガンはビタミンEがあるから酸化しにくい」といった記述をよく見かけます。 しかし、化粧品用のホホバオイルも酸化します(実験データで確認済みです)。ロウといっても蝋燭のような炭化水素系のロウではありません。また、ビタミンE自体も酸化します。
蛍光灯の光が直接当たるような場所での保管やディスプレイも避け、冷暗所で保管しましょう。 ボタニカルヘアオイルは、光を遮る遮光ガラス瓶に入った製品がおすすめです。 プラスチック系のボトルは酸素透過性のランクがあり、品質保持の観点からはガラス瓶に劣る場合があります。 いずれにしても、ヘアオイルを使用した日は、夜に必ずシャンプーで洗い流してください。
容器の種類(品質保持)
光と酸素から中身を守る:▶タップ
繊細なボタニカルオイルの品質を守るため、光を通さない遮光性のあるガラス瓶が理想的です。 容器の素材も、品質を構成する重要な一部です。
香りの役割
心地よさと品質の指標:▶タップ
香りは時に、精製度が低いオイルの原料臭を隠すために使われることもあります。 逆に言えば、無香料や微香性の製品は、原料品質に自信がある証拠とも言えます。
最終的な品質
全てはオイルの精製レベルで決まる:▶タップ
結局のところ、ヘアオイルの品質はベースとなるオイル原料の精製度でほぼ決まります。 敏感肌の方や、本質的なケア(ミストやヘアミルクと併用する場合は、水系製品の後に使う)を求めるなら、価格だけでなく精製度にこだわった高品質なヘアオイルがおすすめです。
オイルのタイプ分類(重さ)
「軽い」「中間」「重い」の見極め方:▶タップ
オイルは主に「主剤が揮発性(一般に軽い)」「不揮発性/エキス(一般に重い)」そして「中間」の3タイプに分かれます。 サラサラな仕上がりが好きなら揮発性タイプ、しっとりさせたいならエキスタイプや準エキスタイプがおすすめです。
しかし、ダメージケアが主目的なら、まずヘアミストを選択肢の筆頭に考えるべきです(髪質に合わせた選択は必要)。
その上で、髪の落ち着きに物足りなさを感じるときに、初めてヘアオイルの追加を検討する、という順番が理想です。
軽いヘアオイル(揮発性タイプ)
サラサラ感と注意点:▶タップ
軽い使用感が魅力ですが、ファンヒーターなどの暖房器具に吸われると故障の原因になることがあるため注意が必要です(製品の注意書きを確認しましょう)。
このタイプで髪がサラサラに落ち着くなら、その手軽さもあって良いアイテムです。 しかし、もしケア効果も求めるなら、ミスト系の洗い流さないトリートメントを最初の選択肢にすることをおすすめします。
重いヘアオイル(不揮発性)
持続する保湿力とケア効果:▶タップ
長時間うるおいとツヤが持続するのが強みです。 少量で効果が高いためコストパフォーマンスに優れますが、つけすぎると重くなるので量の調節が鍵となります。 髪が多くて硬い、パサつきがちな髪質におすすめです。
中間の重さのヘアオイル
バランスが良く万能なタイプ:▶タップ
軽さと持続性のバランスが良く、最も扱いやすいタイプと言えます。 「軽すぎるのは物足りないけど、重すぎるのは嫌」という方にぴったりです。
使用量で仕上がりをコントロールしやすく、幅広い髪質に対応します。 ヘアオイルの目的に「パサつきを解消したい」という希望があるなら、まずこのタイプから試すのが良いでしょう。
本当におすすめなのは?【髪質別】ヘアオイル・ミスト・ミルクの最適解
ここからが本題です。あなたの髪の悩みを解決するのに、本当に最適なのはどのタイプでしょうか? 美容師が髪質と悩みに合わせて、オイル、ミスト、ミルクからベストな選択肢を提案します。
軟毛・猫っ毛の方
おすすめ:ミスト、軽いミルク:▶タップ
オイルでペタッと潰れやすい軟毛の方に本当に必要なのは、油分ではなく髪の内部を強化するケアです。 ハリ・コシを与える補修成分が豊富なミストで、髪の土台から元気にしましょう。
うねり広がる多毛の方
おすすめ:ヘアオイル、保水ミルク、ヘアミスト:▶タップ
くせ毛をストレートベースにしたいなら、縮毛矯正が最も分かりやすい選択です。 その上で、日常のケアとして「うねり広がる多毛」にアプローチする場合、最初の選択肢は保水力の高いミルクです。
あるいは、VIGUSI PLEXやVIGUSIウルフォフのミストで髪内部のケア要素を高め、それでも物足りない時に、その上からオイルを重ねる「W使い」も美容師がおすすめする現実的なテクニックです。
もちろん、それぞれ単品で満足できるならW使いは必要ありません。 ケアを重視するなら、ミストタイプから試すのが良いでしょう。
硬い髪・剛毛でパサつく方
おすすめ:柔軟効果のあるオイル、ジェルミルク:▶タップ
硬くパサつく髪には、髪を柔らかくする機能を持つオイルを選びましょう。 髪を柔軟にする成分(マカダミアナッツ油や特定の機能性エステル)が配合された製品がおすすめです。
毛量が多く、硬く、広がる悩みならPROILのような、柔らかく保湿するヘアオイルがおすすめです。 毛量が多め~普通程度なら、可塑剤(柔らかくする機能)を配合したVIGUSI OILが良いでしょう。
いずれにしても、パサつく髪にはオイルのエモリエント効果だけでなく「柔らかくする機能」が必要です。この点において、マカダミアナッツ油はホホバやアルガンより優れています。
深刻なダメージ毛・乾燥毛
おすすめ:補修特化ミスト + オイル or ミルク:▶タップ
深刻なダメージには、まず内部補修に特化したミスト(VIGUSI PLEXなど)の使用が必須です。 それをケアのベースとし、好みの仕上がりに合わせてオイルやミルクを補助的に使うかどうかを選択します。
矯正・ブリーチ毛・カラーの繰り返しのダメージ
おすすめ:プレックス系ミスト +ヘアオイル:▶タップ
ブリーチによるハイダメージには、内部結合を強化するプレックス成分配合のミスト(VIGUSI PLEXなど)が最適です。 縮毛矯正やヘアカラーを繰り返した髪にもおすすめです。
まずダメージケア用のミストを使い、おさまり感をさらに高めたい時などにヘアオイルを追加する、という順番で考えましょう。 ミストタイプがケアの第一選択肢です。
美容師が教えるヘアオイルの正しい使い方
せっかく良いヘアオイルを選んでも、使い方が間違っていては効果も半減してしまいます。 プロが実践する、効果を最大限に引き出すためのポイントを伝授します。
均一性:内側からつけるのがプロの技
いきなり髪の表面につけるのはNGです! オイルを両手にしっかり伸ばしたら、髪の「バックの内側」からなじませていきます。 最後に手に残ったわずかなオイルで、表面や顔周りを整えることで、ベタつきを防ぎ、均一なツヤが出ます。
ただし、前述したように、揮発性オイルが主剤の製品とエキスタイプでは使用法が異なります。 全てのヘアオイルに共通する万能な使用法は存在しない、と心得ましょう。
ひと手間:コーミングで効果アップ
オイルをつけた後、目の粗いコームで優しく髪をとかすと、成分がムラなく全体に行き渡り、効果が格段にアップします。 これは「薄く均一な疎水バリアを作る」というイメージです。
保管方法:冷暗所
品質を保つため、光や湿気を避け、温度変化の少ない冷暗所で保管しましょう。
目的が髪内部のケアもしたいなら知るべきこと
アウトバストリートメントは通常、酸性(pHが低い)です。 この何気ないpHも、髪を安定させる(等電点に近づける)ための大切なケア要素です。 しかし、ヘアオイルにはpHがありません。
ヘアカラーやパーマ、ブリーチ、縮毛矯正の多くはアルカリ性の薬剤を使います。 施術後は、アルカリに傾いた髪を、本来安定する弱酸性の状態(等電点)に徐々に戻していく必要があります。 この点だけでも、pHを持つミストタイプのトリートメントがケアに向いていることが分かります。
ヘアオイルには親水性(親水基)も必要
ダメージを受けた髪は親水性(水と馴染みやすい状態)になります。 そのため、ナノ化された成分などが水に分散した形状のミストは髪に馴染みやすく、浸透が期待できるため、ケアにおいて優位となります。
この事実は、ヘアオイルにも水に馴染む分子構造(親水基)がある方が望ましいことを示しています。 VIGUSI OILの主剤にはこの特性があるため、ダメージ箇所にも少量で馴染み、機能するのです。 さらに、浸透促進剤が補修成分エルカラクトンの働きを助けます。これらが美容師におすすめされる理由です。
製品の粘性も浸透条件に影響
内部ケアを考える上では、製品の粘性も(特に酸性領域での浸透において)影響します。 粘性が低い(サラサラした)ミストの方が、浸透の条件としては有利です。 そもそも、水をはじく健康な髪には、深刻なダメージケアは必要ありません。
補足ですが、インバス用のコンディショナーがクリーム状のものが多いのは、「シャンプーの後に髪に残る豊富な水分」によって粘性が弱まる(薄まる)ことを前提に、機能するように作られているからです。 そのため、タオルドライ後に使うアウトバスタイプとは、基本設計が異なります。 ちなみに、ヘアカラー剤や矯正剤の1剤がクリーム状でも機能するのは、それらがアルカリ領域で作用するからです。
うねり広がる髪 | ヘアオイルの総括
うねり広がる髪に、ヘアオイル単品で効果があることもあります。 しかし、水とオイルを乳化したヘアミルクの方が、よりおすすめできる場合があります。 これは、ミルクに含まれる「水分が、うねり補正の下準備(髪のリセット)をしてくれる」からです。
ヘアミルクの中でも、髪の表面と内部の両方への保水性を持つ「保水ジェルミルク」は、さらに機能的です。 ここでの概念は、「保水でうねりの下準備をし、さらに保水機能で潤いを維持する」ことです。
注意点として、一部の「保湿成分」は、毛髪の水分だけでなく空気中の水分も吸い込む可能性があります。 その結果、乾燥した日と湿度の高い日との間で髪の状態が変動し、かえってうねりやビビり(フリズ)の原因になる可能性もゼロではありません。
髪は記憶形状ポリマーのよう
髪は、形状記憶ポリマーのように「うねりを覚えてしまう」性質があります。 そのため、まず保水成分(ミストやミルクに含まれる水分)でうねりや広がりをリセットし、次にヘアオイルの疎水バリアで湿度の影響を受けにくくして、その落ち着いた状態を「記憶させる」というアプローチが重要になります。
この疎水バリアの性能が、ヘアオイルの優劣を決める一つの要素です。 キーワードは「ヘアカラーの退色抑制」機能との関連性、そして「ビルドアップしない」ことです。もちろん、艶やエモリエント効果も大切です。
ネット情報にはほとんど出てこないヘアオイルの大切な要素が、「可塑剤機能(髪を柔らかくする力)」です。
この機能の優劣が、「おさまり」感に直接影響します。
ダメージした髪は水と馴染みやすいため、ヘアオイルの成分にも分子レベルで水と馴染む部分(親水基)が必要です。
これらの条件を満たすヘアオイルが、VIGUSI OILです。
ヘアミルクの製品化
オイルと水を乳化することでヘアミルクが作られます。 この時使う乳化剤が、髪の水分を奪う(ウォッシュアウト)可能性も指摘されています。 これを回避する鍵の一つが、単なる保湿ではなく「保水機能」の有無です。 保水機能は、髪の内部と外部の両方を潤す成分によって成り立ちます。
2代目ドロップエッジがデビュー
「保水でうねり補正の下準備をおこない、保水機能で湿度の影響を受けにくくし、オイルやポリマーで疎水バリアを張って保水をキープする。この時、髪の表面と内部の両方で保水が担保される」 これが、2代目ドロップエッジの開発前にあった概念です。
もう一つの核が「パサつきには、髪を柔らかくする可塑剤機能が必要」という点です。 この二つの概念を製品化するのが、2025年7月に販売予定の2代目ドロップエッジです。 特別珍しい成分を配合しているわけではなく、上記のイメージを忠実に製品の形にしたものです。 髪が硬くなっては、時間と共にうねりやパサつきはおさまらないため、「しなやかさ」が必要です。
まとめ
ヘアオイルの最大の利点は「手軽さ」であり、それが日常的に多く使われる理由です。 しかし、その効果を最大限に引き出すには、「他のアイテムタイプの利点も知ることで、ヘアオイルの最適な使用タイミングが見えてくる」という視点が重要になります。
この記事が、あなたのヘアケアをより的確なものにする一助となれば幸いです。