ヘアオイルを使いきるおすすめ法
必要不可欠な要素

  ヘアオイル・ミスト・ミルクには、各々の機能と適した髪質があります。ヘアオイルを軸に、髪質や悩みに応じた選び方と使い方を解説します。

「ヘアオイル(洗い流さないトリートメント) おすすめ」で検索すると、多くは通販サイトが上位に表示されます。

一方、サロン専売品のブランド公式サイトは埋もれがちです。これは「おすすめ」がSEOワード(上位表示の工夫ワード)として強く作用しているためです。

スピリッツのヘアオイル2種 高品質ボタニカルヘアオイルと多機能な最新ヘアオイル

ヘアオイル選び27の視点と不可欠な機能

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ここでは、美容師の実感や専門家の処方視点をもとに、製品開発時に重視している27の観点をご紹介します。
すべての髪悩みにヘアオイルだけで対応しようとしないことが、的確なケアの第一歩です。
本質的なニーズを知ることで、自分に合ったヘアケアの方向性が見えてきます。

例えば、毛量が多く「パサつき」や「広がり」が気になる場合、ヘアオイル単体では十分な対応が難しいことがあります。このようなケースでは、水分保持を補助する成分の使用が重要であり、『オイルに加え』『水分系処方のケア剤が効果的』です。
その一例が「可塑性保水ジェルミルク」で、質感を整えながらまとまりを持たせる役割を担います。毛量が多くパサつきやすい髪にとって、ヘアオイルは補完的な位置づけであり、必要に応じて取り入れると良いでしょう。

ヘアオイルには可塑剤機能(柔らかくする)は極めて大切

可塑性:髪を柔らかく整える基本機能

ヘアオイルに求められる可塑性機能は不可欠

ヘアオイルにおいて注目すべき不可欠な機能が、可塑性(髪を柔らかく整える)働きです。これは、乾燥や広がり、パサつきが気になる髪に対して、質感の調整や落ち着きをもたらすメイン機能の一つです。このレベルが、本当のヘアオイルのランキングになります。

一般に、ヘアオイルにはエモリエント(油性保湿)効果が期待されますが、それだけでは髪のまとまりや扱いやすさに十分に対応しきれないケースもあります。可塑性処方は、髪の柔軟性や落着き性の向上に寄与し、日常的なスタイリングを補助します。

ヘアオイルに柔らかくする機能(可塑性)が必要な理由

エモリエント効果(保湿・乾燥抑制)

潤いを守るヘアオイルの基本機能

ヘアオイルの基本は、『油膜で髪の水分の蒸発を防ぐエモリエント効果』と、一般的には言われます。スピリッツでは、親水性と疎水シールドド機能を併せ持つことが大切と考えています。なぜなら、ダメージ部は親水性になるので、親水性を併せ持つシールド機能が馴染みやすく、少量で機能することを見出しています。 そして、重要なのは、潤いを持続できるかという点です。

ヘアケアの必要性を感じるとき

しかし、髪内部が砂漠のように乾いている場合、オイルで蓋をするだけでは不十分です。 まずは水分補給ができるミストや保水ミルクを使い、その上でオイル(親水性のある疎水シールドオイル)を重ねるのがおすすめです。 勿論、ヘアミストやヘアミルクのみで満足できるなら、ヘアオイルは必要ありません。

ブリーチした髪は専用ミストとダメージケア出来るヘアオイルを推奨 そのヘアスタイル各種

深刻なパサつきへのアプローチ | 可塑性

内部補修と外部保護の連携プレー

ひどいパサつきは、髪内部の栄養が流れ出ているサインです。オイルで油分を補うだけでは根本解決になりません。

内部補修とオイルの役割

内部補修成分(結合ケラチン、アミノ酸、プレックス成分、セラミドなど)が豊富なミストで内部を満たし、ダメージケアならヘアオイルは「仕上げの保護膜」として使うのが美容師もおすすめする賢い使い方です。 ハイダメージならVIGUSI PLEX、ミドルダメージ程度ならVIGUSIウルフォフが候補になります。さらにオイルが必要だと感じればVIGUSI OILです。ミストタイプで満足であれば、ヘアオイルは必要ありません。これがヘアケアの基本です。

ヘアオイルに求められる「可塑剤」機能

それでは、なぜVIGUSI OILなのでしょうか。それは主剤オイルに可塑剤(柔らかくする)機能があり、パサつく髪を柔らかくしておさまりを良くできるからです。 使用目的(おさまり)を考えると、ヘアオイルにはこの可塑剤機能が非常に大切なのです。 エモリエント効果だけなら、多くのオイルが持つ特性にすぎません。 ボタニカルオイルのPROILも同じ理由で、ホホバやアルガンより優れた可塑剤機能を持つマカダミアを主剤にしています。

うねり・くせ毛への対応

湿気を制して、まとまりをコントロール

うねりの原因として、髪内部の水分バランスの乱れは無視できません。 ヘアオイルは表面をコーティングして湿気の影響を抑えますが、一般的にオイルだけでクセやうねりを矯正することは出来ないと考えましょう。

オイル以外の選択肢と組み合わせ

オイルの重さで物理的に抑える方法もありますが、軟毛の方はペタッとなるリスクも伴います。 クセ毛の場合、縮毛矯正が最も分かりやすい解決策です。その後のダメージケアとしては、VIGUSIウルフォフかVIGUSI PLEXが好適です。

保水と疎水シールドの重要性

毛量が多く、日によって「うねり」や「広がり」が出る場合は、保水力に優れたジェルミルク「ドロップエッジ」を単品で使うアプローチもおすすめです。 多くの方はヘアオイルを選びがちで、それが正解の髪質もあります。 しかし、うねりもクセも、その振る舞いには「水」の存在が不可欠です。 保水成分(単なる保湿成分ではなく毛髪内外の水分を維持する成分)と、それを閉じ込めるオイルの疎水シールドが必要になります。 これを一つにしたのがドロップエッジです。 普通程度ならVIGUSIのミストタイプから始め、必要に応じてヘアオイルを検討するという順番が合理的です。

エイジングによる髪の変化

失われたハリ・ツヤを取り戻す

年齢と共に気になるハリ・コシの低下やパサつきには、熱で補修効果が高まるエルカラクトンが優れており、エイジング毛のケアにおすすめの成分です。VIGUSIシリーズ3種すべてに配合しています。

エイジングケアに有効な成分

使用時のポイントは、ドライヤーでしっかり熱を与えるか、ヘアアイロンを使うことです。 もう一つ、エイジング毛にはセラミドも欠かせない成分です。毛髪内部へ効率的にアプローチするには、ナノ化されたセラミドに確実性が期待できます。

効果的な熱の使い方

成分の浸透性について

「低分子量だから毛髪に浸透する」という表現を見かけますが、「分子量」は大きさではなく質量を指し、「ナノ」が大きさを表します。 8種のナノ成分を配合したVIGUSIミスト2種が、内部補修に良い選択肢となるでしょう。

髪の内部補修

成分を髪の芯まで届ける技術

本気の内部補修には、浸透しやすいナノ化成分が不可欠です。 オイルは、これらの成分を届けた後の「蓋」として、ミストでは物足りない時に追加するのがおすすめです。

オイルの「浸透」に関する注意点

「浸透するオイル」という謳い文句もありますが、「浸透性の実験」と「実際のヘアケアで使用する量」とでは条件が異なるのではないでしょうか。 もし条件が違う比較なら、現実的にどれほどの意味を持つのか疑問が残ります。

スピリッツの内部補修アプローチ

スピリッツのミストタイプは、8種のナノ成分(脂質含む)、結合ケラチン、プレックス成分、エルカラクトン、そして両親媒性浸透促進成分(VIGUSI全種に配合)などを用いて内部補修にアプローチします。 推奨濃度を配合した美容室専売品として人気があります。

髪の表面補修(キューティクルケア)

指通りと輝くツヤのメカニズム

ヘアオイルが最も得意とするのが、傷んだキューティクルをコーティングし、滑らかな指通りとツヤを与えることです。 ただし、あくまで物理的な補修の可能性は、本当の意味でのケアではないことを理解しておきましょう。

キューティクル補修に有効な成分

キューティクルの補修には、クオタニウム-33(18MEA)やエルカラクトンといった測定の成分が必要です。 特にエルカラクトンは、使うほどに効果が高まる特性があるのでおすすめです。 VIGUSI オイルには、浸透促進剤とエルカラクトンで有効性を高め、使用感とケアを両立させています。

外的刺激からの保護(カラー保持)

湿気と褪色から髪を守るバリア機能

オイルが作る保護膜は、湿気から髪を守り、ヘアカラーの流出を緩やかにします。 しかし、色持ちを最優先するなら、カラーケア専用シャンプーの使用が最も効果的で不可欠な事を理解しておきましょう。

VIGUSI製品のアプローチ

VIGUSI OILの主剤(疎水シールド機能)は、色保持性と湿度耐性に優れたエステルであり、しかもビルドアップ(蓄積)しません。 VIGUSIの2タイプでは、シリコーンエマルジョンでこの機能に対応します。

ビルドアップ(過剰な蓄積)

ゴワつきを防ぐための注意点

特定のコーティング成分は髪に蓄積(ビルドアップ)し、ゴワつきの原因になることがあります。 これを避けるには、定期的なクレンジングシャンプーの使用や、洗い流しやすい処方のオイルを選ぶことが大切です。

ビルドアップしにくいオイルの選び方

ヘアオイルはオイル原液の組み合わせですから、ビルドアップしにくいタイプの選択は重要です。 全成分表示を見て、特に主剤レベルでどのような成分が使われているかを調べると良いでしょう。極めて大切です。全成分表記は、使用のためにあるのです。

VIGUSI OILでは、ミリスチン酸PPG‐3ベンジルエーテルを選択。多機能な吸着精製(高品質)エステルをベースにしています。スキン用化粧品にも配合されます。

指通りの良さ

心地よい手触りとその持続性

滑らかな指通りはヘアオイルの大きな魅力ですが、その効果がどれだけ持続するかも重要です。

揮発性オイルの持続性

揮発性を主剤とするヘアオイルは、つけた瞬間は良くても、『10分も経つと物足りなさを感じることがある』という意見を美容師がお客様からよく聞といっています。1回の使用量は、多めに必要となります。このことから、ポンプ式ボトル製品となることが多い。

ツヤとテカリはヘアオイルの使い方による

上品な輝きと不自然なテカリの境界線

理想は、髪本来の自然なツヤです。過度なツヤは、不自然な「テカリ」に見えてしまいます。 オイルの種類や量を調整し、上品な仕上がりをコントロールしましょう。艶感には、適度な屈折率有し、ビルドアップしないタイプが良いです。

「テカリ」を防ぐ基本

美しい艶感を出す基本は「均一な塗布」です。テカリとは、オイルが一箇所に偏って付着する現象に他なりません。 製品によって適量は異なりますが、均一に薄く塗布することが原則です。

揮発性ヘアオイルの塗布方法

揮発性オイルが主剤の製品は、塗布後に髪に残るオイル分が少なくなるため、「挟み込む」「握りしめる」といった付け方を意識することがあります。 これはイメージとして『強引に付ける感覚に近い』もので、ヘアオイルに共通するテクニックではありません。なので、公式サイトの解説が大切なのです。

おさまり・まとまり

美髪に広がる髪を落ち着かせる技術

美髪な「おさまり」は、ヘアオイルの重要な役割です。 これを最大限に引き出す秘訣は、製品の種類に関わらず「均一に塗布すること」と、機能としては『エモリエントだけに頼らない柔らかさ機能』有する事です。

オイルの種類と代替案

先にも述べましたが、揮発性オイルが主剤の場合は、毛先を握りしめるような塗布も意識的に必要になります。 しかし、毛量が多い場合は、保水ジェルミルクの「ドロップエッジ2」も試す価値があります。 これはオイルと保水機能に優れた成分を組み合わせたヘアミルクで、パサつき、うねり、広がる髪に必要な「内外の水分保持」に応えます。

髪を柔らかくする高品質ボタニカルへアオイルならPROIL

オイル原料の品質は重要

オイルの精製度が使用感を左右

オイルは、精製度によって安全性や使用感が大きく変わります。 高品質な精製オイルは、アレルギーや酸化のリスクが低い傾向と使用感が顕著です。

高品質な精製オイルの例

スピリッツのボタニカルヘアオイルは高品質な吸着精製ボタニカルです。

PROILは、高品質な精製オイルをベースにしています。カラム吸着精製オイルで、スキン用にも使用されるレベルです。

品質の成分表示 義務はない

同一の成分表示であっても、製品ごとの品質は大きく異なります。しかも、その品質レベルに関しては表示義務がなく、実際にはブランドごとの企業機密とも言える領域です。したがって、高品質な原料を使用している製品ほど、その事実を積極的に開示・アピールする傾向があります。

具体例として、A製品とB製品の両方に「ホホバオイル」と記載されていた場合でも、その原料の精製度や安定性、安全性、使用感には大きな差がある可能性が高いのです。実際、原料のテスターに触れて比較すれば、一般の方でもその違いを明確に認識できるレベルです。このような理由から、公式サイトに掲載される製品解説は非常に重要です。単なるイメージ画像だけでは、品質に関する判断は不可能だという原則を、改めて意識すべきです。

コストパフォーマンス

容量ではなく「1回の使用量」で考える

高濃度な「エキスタイプ」のヘアオイルは、1回の使用量がごく少量で済むため、結果的に長持ちし、コストパフォーマンスに優れることがよくあります。

スピリッツ製品のコスパ

PROILとVIGUSI OILは、数滴で十分な効果を発揮する髪質の方も多く、製品容量と価格だけでは本当のコスパは判断できません。

ザラザラした感触

シンプルな処方の良さ

成分数が多いからといって、良い製品とは限りません。 高品質な原料を、バランス良くシンプルに配合した製品の方が、滑らかな使用感が得られることもあります。 スピリッツでは、表示成分を飾るためだけのキャッチーな処方は採用しないというポリシーを持っています。

ザラつきの原因

ヘアオイルなのにザラつきを感じたことはありませんか? これは主剤の特性である可能性があり、それを補正する成分を追加した結果、全成分数が多くなるケースもあります。

機能と使用感のトレードオフ

では、なぜザラつく可能性のあるオイルを主剤にするのでしょうか。 例えばベビーオイルは安全性を優先しますが、毛髪用としては機能的に不十分なことが多いです(一概には言えませんが、ヘアオイルより安価な傾向があります)。製品開発では、機能性と使用感のバランスが常に問われます。

総合的な使用感

毎日使いたくなる心地よさ

伸びの良さ、なじみやすさ、仕上がりの質感など、総合的に「心地よい」と感じられる製品が、あなたにとってのベストなヘアオイルです。

VIGUSI OILの使用感

VIGUSI OILは一度試す価値があります。 ミディアムヘアなら3滴で十分な方も多く、ポンプ式容器で1、2プッシュするのとはレベルが違う使用量です。 どのようなヘアオイルでも、薄く均一に伸ばすことが、秀逸な艶と指通りを引き出すポイントです。

手軽さ

日常使いでの最大のメリット

ヘアオイルが多くの人に愛用される最大の理由の一つが「手軽さ」です。 手早くまとまりとツヤを与えてくれるため、忙しい朝のスタイリングや、日中のパサつきが気になった時の応急処置として大きな魅力があります。

ボタニカルヘアオイルの使い方

ボタニカルヘアオイルは、スタイリングの仕上げに使うのが基本です。 また、パーマスタイルには意外とオイル選びが重要で、髪を柔らかく保湿するタイプのボタニカルヘアオイル(PROILなど)を使うと、綺麗なウェーブが出て持続しやすくなります。すべてのヘアオイルがパーマスタイルに適合するわけではありません。 夜にはシャンプーでしっかり落としましょう。

髪の落ち着きの持続性

広がりを抑える「重さ」の重要性

髪の広がりを長時間抑えるには、ある程度の「重さ」を持つオイルが髪表面に留まることが重要です。 軽いオイルを多く使用するより、重めのオイルを少量使用することに慣れる方が良い場合もあります。

毛量に合わせた選択

その方が、持続性とコストパフォーマンスの面で有利な可能性があります。 一方、毛量が少なめや柔らかい髪の方は、揮発性オイルベースの中でも軽いタイプが選択肢になります。しかし、試す優先順位は、洗い流さないトリートメントのミストタイプからです。ダメージケアも必要であれば、ミストタイプ一択です。

熱からの保護(アイロン・ドライヤー)

熱を味方につけるケア

熱保護をうたう製品を選ぶのはもちろんですが、エルカラクトンのように熱で補修効果が高まる成分が配合されたヘアオイルは、アイロン使用者にとって特におすすめです。

エルカラクトンの特性

エルカラクトンは、使えば使うほど効果が増し、古いものは順次剥がれ落ちていくという特性があります。これが推薦する理由です。剥がれ落ちないオイルは、蓄積(ビルドアップ)していく可能性があります。オイルは特に、空気中のホコリや落下菌の付着もあるので、シャンプーで流れ落ち、更新されていくことも必要なのです。特に、髪表面です。

加水分解への耐性

湿気による品質劣化

一部のオイルは水分によって劣化(加水分解)することがあります。

保管場所の注意点

品質を保つため、浴室など高温多湿な場所での保管は避けましょう。

酸化への耐性

油臭さや刺激を防ぐ鮮度

特に植物性オイルは酸化に注意が必要です。抗酸化成分が充実した製品を選び、開封後は早めに使い切りましょう。

よくある誤解

ネット情報には「ホホバはロウエステルだから酸化しない」「アルガンはビタミンEがあるから酸化しにくい」といった記述をよく見かけます。 しかし、化粧品用のホホバオイルも酸化します(実験データで確認済みです)。ロウといっても蝋燭のような炭化水素系のロウではありません。また、ビタミンE自体も酸化します。

適切な保管方法

蛍光灯の光が直接当たるような場所での保管やディスプレイも避け、冷暗所で保管しましょう。 ボタニカルヘアオイルは、光を遮る遮光ガラス瓶に入った製品がおすすめです。 プラスチック系のボトルは酸素透過性のランクがあり、品質保持の観点からはガラス瓶に劣る場合があります。 いずれにしても、ヘアオイルを使用した日は、夜に必ずシャンプーで洗い流してください。

容器の種類(品質保持)

光と酸素から中身を守る

繊細なボタニカルオイルの品質を守るため、光を通さない遮光性のあるガラス瓶が理想的です。 容器の素材も、品質を構成する重要な一部です。

香りの役割

心地よさと品質の指標

香りは時に、精製度が低いオイルの原料臭を隠すために使われることもあります。 逆に言えば、無香料や微香性の製品は、原料品質に自信がある証拠とも言えます。

最終的な品質

全てはオイルの精製レベルで決まる

結局のところ、ヘアオイルの品質はベースとなるオイル原料の精製度でほぼ決まります。

高品質なオイルがおすすめな人

敏感肌の方や、本質的なケア(ミストやヘアミルクと併用する場合は、水系製品の後に使う)を求めるなら、価格だけでなく精製度にこだわった高品質なヘアオイルがおすすめです。ヘアオイルをさがす時の検索ワードに、『高品質』は必須の一つです。特に、植物油ベースのヘアオイルは! 『ボタニカルヘアオイル 高品質』などです。

オイルのタイプ分類(重さ)

「軽い」「中間」「重い」の見極め方

オイルは主に「主剤が揮発性(一般に軽い)」「不揮発性/エキス(一般に重い)」そして「中間」の3タイプに分かれます。 サラサラな仕上がりが好きなら揮発性タイプ、しっとりさせたいならエキスタイプや準エキスタイプがおすすめです。

ケアを重視する場合の考え方

しかし、ダメージケアが主目的なら、まずヘアミストを選択肢の筆頭に考えるべきです(髪質に合わせた選択は必要)。
その上で、髪の落ち着きに物足りなさを感じるときに、初めてヘアオイルの追加を検討する、という順番が理想です。

軽いヘアオイル(揮発性タイプ)

サラサラ感と注意点

軽い使用感が魅力ですが、ファンヒーターなどの暖房器具に吸われると故障の原因になることがあるため注意が必要です(製品の注意書きを確認しましょう)。

ケア効果を求めるなら

このタイプで髪がサラサラに落ち着くなら、その手軽さもあって良いアイテムです。 しかし、もしケア効果も求めるなら、ミスト系の洗い流さないトリートメントを最初の選択肢にすることをおすすめします。

重いヘアオイル(不揮発性)

持続する保湿力とケア効果

長時間うるおいとツヤが持続するのが強みです。 少量で効果が高いためコストパフォーマンスに優れますが、つけすぎると重くなるので量の調節が鍵となります。しかし、軽いオイルの使用で、物足りない時には、使用量を増やすことが一般です。重いオイルは、使用量を減らす方向で調整していきます。明快に、コスパに反映される要素です。いずれにしても、一日の最後には、シャンプーで、流れ落とすことは共通です。

おすすめの髪質

髪が多くて硬い、パサつきがちな髪質におすすめです。

中間の重さのヘアオイル

バランスが良く万能なタイプ

軽さと持続性のバランスが良く、最も扱いやすいタイプと言えます。 「軽すぎるのは物足りないけど、重すぎるのは嫌」という方にぴったりです。

特徴とおすすめの使い方

使用量で仕上がりをコントロールしやすく、幅広い髪質に対応します。 ヘアオイルの目的に「パサつきを解消したい」という希望があるなら、まずこのタイプから試すのが良いでしょう。

本当におすすめなのは?【髪質別】ヘアオイル・ミスト・ミルクの最適解

ここからが本題です。あなたの髪の悩みを解決するのに、本当に最適なのはどのタイプでしょうか? 美容師が髪質と悩みに合わせて、オイル、ミスト、ミルクからベストな選択肢を提案します。

軟毛・猫っ毛の方

おすすめ:ミスト、軽いミルク

オイルでペタッと潰れやすい軟毛の方に本当に必要なのは、油分ではなく髪の内部を強化するケアです。 ハリ・コシを与える補修成分が豊富なミストで、髪の土台から元気にしましょう。

うねり広がる多毛の方

おすすめ:ヘアオイル、保水ミルク、ヘアミスト

くせ毛をストレートベースにしたいなら、縮毛矯正が最も分かりやすい選択です。 その上で、日常のケアとして「うねり広がる多毛」にアプローチする場合、最初の選択肢は保水力の高いミルクです。

ミストとオイルの併用

あるいは、VIGUSI PLEXやVIGUSIウルフォフのミストで髪内部のケア要素を高め、それでも物足りない時に、その上からオイルを重ねる「W使い」も美容師がおすすめする現実的なテクニックです。

アイテム選択の順番

もちろん、それぞれ単品で満足できるならW使いは必要ありません。 ケアを重視するなら、ミストタイプから試すのが良いでしょう。

硬い髪・剛毛でパサつく方

おすすめ:柔軟効果のあるオイル、ジェルミルク

硬くパサつく髪には、髪を柔らかくする機能を持つオイルを選びましょう。 髪を柔軟にする成分(マカダミアナッツ油や特定の機能性エステル)が配合された製品がおすすめです。

具体的な製品の選択

毛量が多く、硬く、広がる悩みならPROILのような、柔らかく保湿するヘアオイルがおすすめです。 毛量が多め~普通程度なら、可塑剤(柔らかくする機能)を配合したVIGUSI OILが良いでしょう。

オイルに求められる重要な機能

いずれにしても、パサつく髪にはオイルのエモリエント効果だけでなく「柔らかくする機能」が必要です。この点において、マカダミアナッツ油はホホバやアルガンより優れています。

深刻なダメージ毛・乾燥毛

おすすめ:補修特化ミスト + オイル or ミルク

深刻なダメージには、まず内部補修に特化したミスト(VIGUSI PLEXなど)の使用が必須です。 それをケアのベースとし、好みの仕上がりに合わせてオイルやミルクを補助的に使うかどうかを選択します。

ハイダメージケアならヘアオイルより専用のミストを先に使用するのがおすすめ VIGUSI



PLEX

矯正・ブリーチ毛・カラーの繰り返しのダメージ

おすすめ:プレックス系ミスト +ヘアオイル

ブリーチによるハイダメージには、内部結合を強化するプレックス成分配合のミスト(VIGUSI PLEXなど)が最適です。 縮毛矯正やヘアカラーを繰り返した髪にもおすすめです。

ケアの優先順位

まずダメージケア用のミストを使い、おさまり感をさらに高めたい時などにヘアオイルを追加する、という順番で考えましょう。 ミストタイプがケアの第一選択肢です。

美容師が教えるヘアオイルの正しい使い方

せっかく良いヘアオイルを選んでも、使い方が間違っていては効果も半減してしまいます。 プロが実践する、効果を最大限に引き出すためのポイントを伝授します。

均一な付け方:プロは内側から

ベタつきを防ぐプロの技

いきなり髪の表面につけるのはNGです! オイルを両手にしっかり伸ばしたら、髪の「バックの内側」からなじませていきます。 最後に手に残ったわずかなオイルで、表面や顔周りを整えることで、ベタつきを防ぎ、均一なツヤが出ます。

製品タイプによる違い

ただし、前述したように、揮発性オイルが主剤の製品とエキスタイプでは使用法が異なります。 全てのヘアオイルに共通する万能な使用法は存在しない、と心得ましょう。SNS動画の多くは、この辺りの解説が殆どありません、注意が必要です。

効果を高めるひと手間と保管方法

コーミングと正しい保管場所

コーミングで効果アップ

オイルをつけた後、目の粗いコームで優しく髪をとかすと、成分がムラなく全体に行き渡り、効果が格段にアップします。 これは「薄く均一な疎水バリアを作る」というイメージです。

品質を保つ保管方法

品質を保つため、光や湿気を避け、温度変化の少ない冷暗所で保管しましょう。

目的が髪内部のケアもしたいなら知るべきこと

pHの重要性:ヘアオイルにはないケア要素

髪を安定させる弱酸性の役割

アウトバストリートメントは通常、酸性です。 この何気ないpHも、髪を安定させる(等電点に近づける)ための大切なケア要素です。 ヘアオイルにはpHがありません。この一点からでも、ヘアケアの観点からは、ミストやヘアミルクに優位性があるのです。

アルカリに傾いた髪のケア

ヘアカラーやパーマ、ブリーチ、縮毛矯正の多くはアルカリ性の薬剤を使います。 施術後は、アルカリに傾いた髪を、本来安定する弱酸性の状態(等電点)に徐々に戻していく必要があります。 pHを持つミストタイプのトリートメントがケアに向いていることが分かります。

親水性の必要性:ダメージ毛へのアプローチ

オイルにも求められる水とのなじみやすさ

ダメージを受けた髪は親水性(水と馴染みやすい状態)になります。 そのため、ナノ化された成分などが水に分散した形状のミストは髪に馴染みやすく、浸透が期待できるため、ケアにおいて優位となります。

VIGUSI OILのアプローチ

この事実は、ヘアオイルにも水に馴染む分子構造(親水基)がある方が望ましいことを示しています。 VIGUSI OILの主剤にはこの特性があるため、ダメージ箇所にも少量で馴染み、機能するのです。 さらに、浸透促進剤が補修成分エルカラクトンの働きを助けます。これらが美容師におすすめされる理由です。

製品の粘性:浸透に影響する要素

サラサラなミストが有利な理由

内部ケアを考える上では、製品の粘性も(特に酸性領域での浸透において)影響します。 粘性が低い(サラサラした)ミストの方が、浸透の条件としては有利です。 そもそも、水をはじく健康な髪には、深刻なダメージケアは必要ありません。

インバスとアウトバス製品の違い

補足ですが、インバス用のコンディショナーがクリーム状のものが多いのは、「シャンプーの後に髪に残る豊富な水分」によって粘性が弱まる(薄まる)ことを前提に、機能するように作られているからです。 そのため、タオルドライ後に使うアウトバスタイプとは、基本設計が異なります。 ちなみに、ヘアカラー剤や矯正剤の1剤がクリーム状でも機能するのは、それらがアルカリ領域で作用するからです。

うねり広がる髪 |ヘアオイルの総括

うねり・広がりへの基本アプローチ

オイル単品よりミルクが有効な場合

うねり広がる髪に、ヘアオイル単品で効果があることもあります。 しかし、水とオイルを乳化したヘアミルクの方が、よりおすすめできる場合があります。 これは、ミルクに含まれる「水分が、うねり補正の下準備(髪のリセット)をしてくれる」からです。

「保水ジェルミルク」の優位性

ヘアミルクの中でも、髪の表面と内部の両方への保水性を持つ「保水ジェルミルク」は、さらに機能的です。 ここでの概念は、「保水でうねり抑制の下準備をし、さらに保水機能で潤いを維持して湿度に影響されにくくする」ことです。

保湿成分の注意点

注意点として、一部の「保湿成分」は、毛髪の水分だけでなく空気中の水分も吸い込む可能性があります。 その結果、乾燥した日と湿度の高い日との間で髪の状態が変動し、かえってうねりやビビり(フリズ)の原因になる可能性もゼロではありません。

形状記憶と疎水バリアの重要性

落ち着いた状態を記憶させる技術

可塑剤機能の重要性

髪は、形状記憶ポリマーのように「うねりを覚えてしまう」性質があります。 そのため、まず保水成分(ミストやミルクに含まれる水分)でうねりや広がりをリセットし、次にヘアオイルの疎水バリアで湿度の影響を受けにくくして、その落ち着いた状態を「記憶させる」というアプローチが重要になります。

ヘアオイルに求められる本質的な機能

この疎水バリアの性能が、ヘアオイルの優劣を決める一つの要素です。 キーワードは「ヘアカラーの退色抑制」機能との関連性、そして「ビルドアップしない」ことです。もちろん、艶やエモリエント効果も大切です。 ネット情報にはほとんど出てこないヘアオイルの大切な要素が、「可塑剤機能(髪を柔らかくする力)」です。
この機能の優劣が、「おさまり」感に直接影響します。

VIGUSI OILが満たす条件

ダメージした髪は水と馴染みやすいため、ヘアオイルの成分にも分子レベルで水と馴染む部分(親水基)が必要です。 これらの条件を満たすヘアオイルが、VIGUSI OILです。

ヘアミルク製品化の視点と新製品

保水機能を核とした開発コンセプト

ヘアミルクの課題と「保水機能」

オイルと水を乳化することでヘアミルクが作られます。 この時使う乳化剤が、髪の水分を奪う(ウォッシュアウト)可能性も指摘されています。 これを回避する鍵の一つが、単なる保湿ではなく「保水機能」の有無です。 保水機能は、髪の内部と外部の両方を潤す成分によって成り立ちます。

2代目ドロップエッジがデビュー

「保水でうねり補正の下準備をおこない、保水機能で湿度の影響を受けにくくし、オイルやポリマーで疎水バリアを張って保水をキープする。この時、髪の表面と内部の両方で保水が担保される」 これが、2代目ドロップエッジの開発前にあった概念です。

もう一つの核が「パサつきには、髪を柔らかくする可塑剤機能」です。 この二つの概念を製品化するのが、2代目 ドロップエッジ2です。

まとめ

ヘアオイルと賢く付き合うために

この記事の結論

ヘアオイルの最大の利点は「手軽さ」であり、それが日常的に多く使われる理由です。

最適な使い方を見つける視点

しかし、その効果を最大限に引き出すには、「他のアイテムタイプの利点も知ることで、ヘアオイルの最適な使用タイミングが見えてくる」という視点が重要になります。 この記事が、あなたのヘアケアをより的確なものにする一助となれば幸いです。

オイルはアレルゲンにもかかわるので高品質でシンプルな成分構成を推奨