ヘアオイルの正しい選び方と使い方|注意点とコストパフォーマンス
ヘアオイルは手軽なヘアケアアイテムですが、製品選びや使い方を間違えると期待する効果が得られないこともあります。この記事では、ヘアオイルの本質から、製品タイプ別の特性、注意点、正しい使い方、そして重要なコストパフォーマンスについて詳しく解説します。製品選びの参考にしてください。

ヘアオイルを選ぶ前の基本知識
ヘアオイルを選ぶ前に、以下の基本点を理解しておきましょう。
- 製品個々の使用法を理解することが大切
- SNS情報には注意が必要
- 使用した日は必ずシャンプー
- 日常使用の場合はシャンプーの工夫が必要なことも
- ヘアオイルの利便性とコストパフォーマンス
SNS(動画を含む)は、ステルスプロモーションの側面が強く、製品の使い方や特徴を全て網羅しているわけではありません。ヘアオイルは、他のアウトバスタイプより個々に明確な使用法があります。一般論的な「おすすめの使用法」はないです。
SNS情報ではなく、公式サイトの解説が大切です。
「毛先からつける」、「両手で挟み込む」、「握りしめる」といった一般的な使用方法は、揮発するオイルベース(揮発分が髪に残るオイルを少なくする)の場合に推奨されることが多いと考えられます。
ヘアオイル使用上の注意点
ヘアオイルを使用した日は必ずシャンプーをする
ヘアオイル使用日は、その日のうちにシャンプーで洗い流すことをお勧めします。
これは、オイルの付着性と酸化、そして空気中の浮遊物の付着と酸化物の除去のためです。オイルは瞬時に髪に付着する特性があります。
オイルのベタつきは、必要以上の油分が瞬時に一箇所に付着する現象です。
また、オイルは空気中の浮遊物も瞬時に吸着し、髪に付着させる可能性があります。
酸化の程度は使用する原料によって異なりますが、成分表示だけでは判断できません。そのため、その日の汚れや酸化物を洗い流すためにも、シャンプーでリセットすることを推奨します。
日常的に使用する場合 | 2種類のシャンプーが必要かも
毎日ヘアオイルを使用する場合、月に一度は洗浄力の高いシャンプーで髪をリセットすることもおすすめです。
これは、成分によっては蓄積による悪影響(ごわつき、重みなど)を防ぐためです。ただし、エルカラクトンのように、適度な蓄積が持続的なケア効果をもたらす成分もあります。
一方、ウォータープルーフ化粧品に使われるオイルを主成分とする製品は、蓄積による悪影響が懸念される場合があるため注意が必要です。
日常のメインシャンプーは、ご自身の髪質や好みに合わせて問題ありませんが、定期的なリセットを検討しましょう。
ヘアオイル製品のタイプ別特性
ヘアオイルは様々な種類がありますが、ここでは主なタイプと特性について解説します。
- 揮発性溶剤主剤タイプ
- エキスタイプ(エステル型、ボタニカル型など)
- タイプによって適切な使用法やコストパフォーマンスが異なる
揮発性溶剤主剤タイプ
揮発性溶剤をベースとしたヘアオイルは、比較的サラッとした使用感で、髪に残るオイル成分が時間と共に少なくなる可能性があります。
- 特徴: 揮発性溶剤が多いため、使用直後は軽く仕上がりますが、時間が経つと物足りなくなることがあります。ポンプ式の大容量ボトルが多い傾向があります。
- 使用量: 髪に残るオイル成分が少ないため、エキスタイプと比較して使用量が多めに必要となることがあります。
- 使用方法の傾向: 「毛先から塗布する」「毛先を両手で包み込む」「握りしめる」といった使用方法は、揮発後の残存オイル量を考慮した推奨と考えられます。
使用直後は良い感触でも、時間が経つと物足りなくなる経験ありませんか?これは、髪に残るはずのオイルが揮発するからです。使用量は製品によって異なりますが、エキスタイプとは比較できないほど多く必要なことも!
良い点は、オイルが一箇所に集中して付着しにくいことです。ですが、処方(揮発しないオイルの質と量)と髪質によっては、数分後に上記マーカーのような状態になることがあります。
エキスタイプと準エキスタイプ
オイル成分が髪にしっかりと留まるタイプで、少量でも効果が得やすいのが特徴です。
- 特徴: 手に取ったオイルが髪に多く残るため、少量で十分な効果が得られます。エステル型やボタニカル型など、様々な種類があります。
- 使用量: 揮発性溶剤主剤タイプに比べて、少量で済むことが多いです。
- 使用方法: 両手に広げ、髪の内側からなじませ、最後に表面を軽く整えるのがおすすめです。
エステル型エキスタイプ
少量使用で機能するタイプです。
- VIGUSIオイル:カラム吸着精製エステルを主成分とし、エルカラクトンを配合。少量の揮発性成分を含むエキスタイプです。
- 主成分のエステル:ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテルは、シリコーンよりも優れた滑らかさと輝きを与えます。一般的なシャンプーで洗い流せ、エルカラクトンが持続的に質感を向上させます。
- 香料:配合されていますが、マスキング目的ではありません。
- 外資系原料メーカーの機能性成分を配合しています。
「残るべき成分:エルカラクトン」と「一時的な成分:乳化しやすいエステルはシャンプーで流れ落ちる」で構成されたヘアオイルです。主成分には高価で高品質なカラム吸着精製エステルを使用しています。
ボタニカル型エキスタイプ
極めて少量使用で機能するタイプです。
- ボタニカル:不乾性油に分類されるカラム吸着精製植物油が主成分です。酸化しにくく、匂い、酸化、加水分解に強いのが特徴です。
- PROIL:カラム吸着精製ボタニカルのエキスタイプ。マスキング(香料)が不要なボタニカルヘアオイルです。
- 抗酸化:ボタニカルアスタキサンチン、天然型VE、コメ胚芽油を配合。
- アミノ酸:毛髪補修成分も配合しています。
ザ・ボタニカルへアアオイルと言えます。
製品選択の目安
製品はさまざまなため、あくまで目安としてご活用ください。
- 毛髪が多くてパサつき、うねりる
エキスタイプの選択から始めましょう。ドロップエッジの様なジェルミルクが、最もおすすめです。 - もともと落ち着いた髪で毛量は普通程度でパサつく
揮発オイルがベースタイプ(製品によりオイルの残存性は違う)や、VIGUSIのミスト2種なども適している場合があります。
ヘアオイルの利便性とコストパフォーマンスについて
ヘアオイルの利便性は、いつでも、どこでも使用可能なことです。ボトルの容量は小さい方が携帯に便利です。
重要なのはコストパフォーマンスです。エキスタイプは、ボトルも小さく見えますが、コストパフォーマンスに優れている可能性があります。一見、高額に感じても使用量が極めて少なくても機能するからです。(大容量で安価な製品が必ずしもコストパフォーマンスが良いとは限りません。揮発性オイルベースは、一般に使用量が多く必要となるため、ポンプ式容器の製品が多い傾向にあります。
コストパフォーマンスの比較例
ここでは、価格と容量だけでは判断できないコストパフォーマンスの例を示します。
例として、揮発性溶剤タイプ250mlで3,000円の製品と、エキスタイプ60mlで3,500円の製品があるとします。どちらの製品もご自身の髪質や目的に対して仕上がりに満足できると仮定します。
重要な仮定は「どちらの製品も満足できる」としていること。様々なへアアオイルがあるので必ずしも、下記の様な計算式がなりたつわけではないです。しかし、揮発性オイルベースの場合、複数回必要な時があるとする声もあります。「使用直後は、物凄く良い」けれど、しばらくすると「物足りなくなる」経験や声がありませんか!?そもそも、使用感に満足していなければ、比較の意味もない。
タイプ | 容量 | 価格 | 1mlあたりの価格 | 想定される1回あたりの使用量 | 1回あたりのコスト(概算) | 備考(全て例示) |
---|---|---|---|---|---|---|
揮発性溶剤主剤タイプ | 150ml | 2,500円 | 16.6円/ml | 多め(例: 2ml) | 33.2円 | 一回使用量と使用頻度が多くなる傾向。(左記は、一回の使用量推定)ポンプ式が多い。毛髪による。 |
エキスタイプ | 60ml | 3,500円 | 約58.3円/ml | 少量(例: 0.5ml) | 約29.15円 | 少量で機能するため、結果的にコスパが良い可能性。毛髪による。 |
この例では、1mlあたりの価格だけを見るとエキスタイプの方が高額ですが、1回あたりの使用量が少ないため、結果的に1回あたりのコストはエキスタイプの方が安くなる可能性があります。このように、使用量によってコストパフォーマンスが大きく変わることを理解しておくことが重要です。
ヘアオイルで良い質感を得るための使用方法
ヘアオイルには共通の万能なアプローチ方法はありません。製品ごとに最適な使用法が異なりますが、ここでは一般的な「均一・分散塗布」の考え方に基づいた方法をご紹介します。
- 手に取り、両手に薄く広げます。指の間にも均等に伸ばすイメージで。
- 髪のバックの内側から手ぐしを通すように、シャンプー時の動きのように払う感じで塗布します。
- 髪表面や前髪は手に残る量(ほとんど残っていない程度)で十分なことが多いです。付けすぎるとベタつきの原因になります。
使い方の詳細と調整
- オイルの特性は「瞬時の付着性」です。均一・分散塗布することで、髪全体にバランス良くオイルが行き渡り、美しい仕上がりが得られます。
- オイルが「【たまる】」とは、一箇所に集中して付着する現象です。製品によっては、毛先を握ったり撫でつけたりする使用方法では、ウェット感やベタつき感、不要な束感が出てしまうことがあります。
- 毛先のパサつきが特に気になる場合は、上記1~3を行った後に、毛先に少量を重ねて塗布します。(毛先対策は後から少量ずつ調整する方が、より良い質感をコントロールしやすくなります。)
- ヘアオイルの種類によっては、顔周りの髪(毛量が少ない)には付けず、最後に全体を馴染ませる程度で十分な場合もあります。
- 揮発性溶剤ベースのヘアオイルでも、同様の使用方法で良い質感を得られます。ただし、全体量は多めに必要になる場合があります。
- 髪が健康な箇所には控えめに塗布するのが良い場合が多いですが、目的(例:ツヤを出したい)によって調整してください。
- オイルは水に浮く性質があるため、タオルドライ後のウエット毛に使用すると、よりオイルが分散しやすく、均一に塗布できて使用感が向上します。
SNSのヘアオイル情報に関する注意点(再掲)
SNSでヘアオイルの使い方として「毛先からしっかり」「挟み込む」解説や、「握りしめる」ような使用方法を見かけることがありますが、これには注意が必要です。
これは、揮発性溶剤をベースオイルとする製品の場合、揮発後に髪に残るオイルの量が関係していると考えられます。揮発性溶剤(ベースオイル)を使用するヘアオイル製品は、ポンプ式ボトル製品が多い傾向があります。
- ヘアオイルに共通する普遍的な良い質感のアプローチ方法はないです。製品ごとに全く違います。
- SNS動画の使用法には、ステルスマーケティングやインフルエンサーマーケティングも多く含まれる可能性があります。特定の使い方などを一般化して鵜呑みにするのは注意が必要です。必ず製品の公式サイトや説明書を確認しましょう。
ヘアオイルは他のケアの「補助」として考える
ヘアオイル単体でも効果は得られますが、より本質的な髪のケアと良い質感を求めるなら、他のアイテムとの組み合わせも有効です。
- 最も優れた使用方法の一つは、毛髪内部のケアに効果的なミスト状洗い流さないトリートメントを使用した後に、ヘアオイルを重ねることで、好みの質感とケア効果を得やすくなります。
- そもそもオイルにはpHがありません。髪には等電点があり、毛髪ケラチンの強度安定概念として認識されています。ヘアオイルは、髪の表面的な質感調整や保護を目的とした「補助」的な役割で使用するのが本来の目的であり、おすすめです。
この記事では、ヘアオイルの本質から一般的な選び方、製品タイプ別の特徴、注意点、正しい使い方、そしてコストパフォーマンスについて解説しました。これらの情報を参考に、ご自身の髪に合ったヘアオイルを見つけて、日々のヘアケアに役立ててください。