ヘアミルクの基本と選び方|髪質別のおすすめケア方法

ヘアミルクは、パサつく髪に潤いとしなやかさをもたらす優れたヘアケアアイテムです。しかし、「ヘアミルク おすすめ」と検索すると情報が溢れており、ご自身の髪に最適な一本を見つけるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「ヘアミルクとは何か」という基本的な知識から、洗い流さないトリートメントとしての役割、そして髪質に合わせた具体的な選び方まで、専門的な視点から詳しく解説します。あなたの髪の悩みに寄り添い、最適な一本を見つけるお手伝いをします。

サロン専売のヘアミルク『ドロップエッジ2』の機能

ヘアミルクとは?|洗い流さないトリートメントの一種

まず「ヘアミルクとは」何かを定義すると、水分と油分がバランス良く配合された、乳液(ミルク)状の洗い流さないトリートメントです。その最大の効果は、髪の内部に水分と補修成分を浸透させ、内側から潤いで満たす「内部補修・保湿」にあります。ヘアオイルが主に髪の表面をコーティングして艶を出すのに対し、ヘアミルクは髪の芯からケアすることで、根本的なパサつきやごわつきを改善します。「ヘアミルクと洗い流さないトリートメントの違い」という点では、オイルやミストなど他の剤形と比較して、水分と油分のバランスが最も優れているのが特徴で、多くの髪質に対応できる汎用性の高さを持っています。

髪質別・ヘアミルクの選び方

一言でヘアミルクといっても、その特性は製品によって様々です。最適なヘアミルクを選ぶには、ご自身の髪質別にアプローチすることが最も重要です。あなたの髪は、潤いを保持しにくい硬い髪ですか?それとも、ボリュームが出にくく絡まりやすい細い髪でしょうか。あるいは、湿気でうねりやすいくせ毛にお悩みかもしれません。まずはご自身の髪質を正しく理解し、それに合った機能を持つヘアミルクを選びましょう。

細くて絡まりやすい髪に(軟毛・細毛)

軟毛・細毛タイプの方は、キューティクルの層が薄く、外部からのダメージを受けやすい一方、油分が多すぎる製品を使うと重くなり、ぺたんこな印象になりがちです。そのため、油分が控えめで水分補給を主とした、軽いテクスチャーのヘアミルクやミストタイプが最適です。成分としては、髪の内部に浸透しハリやコシを与える「加水分解ケラチン」「加水分解シルク」といったタンパク質由来の補修成分に注目しましょう。髪の強度を高め、ふんわりとしながらも指通りの良い状態へと導きます。

スピリッツのミストタイプの場合
セラミド、エルカラクトン、共有ケラチン、プレックス、浸透促進剤などを含んでいます。

うねり・くせ毛におすすめ

くせ毛やうねりの主な原因は、毛髪内部の水分バランスの乱れにあります。髪の内部には水分を吸いやすい部分(親水部)と弾きやすい部分(疎水部)が不均一に存在しており、湿度の高い環境では水分を過剰に吸って膨張し、うねりとなって現れます。くせ毛向けヘアミルクに求められるのは、髪全体の水分量を均一に整え、湿度の影響を受けにくくする機能です。保湿成分とともに、ドライヤーの熱に反応して毛髪成分と結合し、キューティクルのめくれ上がりを抑えてうねりを抑制する「γ-ドコサラクトン(エルカラクトン)」などが配合された製品がおすすめです。

スピリッツの考え方
ミストタイプには、ナノ化された「γ-ドコサラクトン(エルカラクトン)」を配合しています。最近、ご質問の多い『トステア』も良い成分ですが、洗い流さないタイプよりは、洗い流すタイプの製品に適していると考えています。大手メーカー様が、洗い流さないタイプで製品化していないことも注目すべき点です。*トステアは、オリエンタルケミカル株式会社の商標です。

硬くてまとまりにくい髪には(剛毛)

剛毛でまとまらない髪は、一本一本がしっかりしている反面、髪内部が乾燥しやすく、硬さやごわつきを感じやすい傾向にあります。このタイプの髪には、髪を柔らかくするエモリエント効果の高い、油分を適度に含んだヘアミルクが有効です。シア脂(シアバター)アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル)バオバブ種子油といった植物由来のオイル成分が豊富に配合されているものを選ぶと、髪の内部まで油分が浸透し、ごわつきを抑え、しっとりと柔らかな手触りに整えることができます。

もっと有効な成分
「可塑性エステル(髪を柔らかくする機能)」を重視しています。
VIGUSI OIL:吸着精製ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテルが主剤
PROIL:吸着精製したマカダミアナッツ油とオリーブ油が主剤

ヘアミルクの正しい使い方

ヘアミルクの効果を最大限に引き出すには、正しい使い方・つけ方をマスターすることが不可欠です。一般的に「ヘアミルクは濡れた髪と乾いた髪のどっちに使うべきか」が重要なポイントとして解説されがちです。しかし、ヘアミルクの均一な塗布を心がければ「濡れた髪(タオルドライ後)」でも「乾いた髪」でも、パサつき、ごわつき、広がりの抑制に効果的です。

使用するタイミング:朝?夜?

ヘアミルクは、ごわつきやパサつきの抑制を主な目的とします。そのため、朝でも夜でも、タオルドライ後でもドライ状態からでも、お好みのタイミングでご使用いただけます。均一に分散させて塗布することが、良い使用感を得るための鍵となります。

使用量の目安

製品によって異なりますが、つけすぎはベタつきの原因になるため、少量から試すことが大切です。一般的な目安は以下の通りです。

  • ショート:10円硬貨程度か、それ以下。
    『ドロップエッジ』はボリュームアップ剤としても機能します。『毛髪の量・重さによる使用感の変化の概念』を取り入れた革新的なヘアミルクのため、ボリュームが欲しい大人女性のショートヘアにも最適です。(ボリュームが出るようにドライヤーの風を根元に当てながら乾かしてください。ショートヘアのボリュームダウンにはヘアオイルが向いています。)
  • ミディアム:10円硬貨程度から、必要に応じてプラス。
    『ドロップエッジ』は乾かし方により、ボリュームアップもボリュームダウンも可能です。
  • ロング:500円硬貨2個程度。
    『ドロップエッジ』はボリュームダウン剤として機能します。ロングヘアのまとまり感に関しては、ヘアオイルよりも向いている場合があります。

塗布時のポイント

  • ヘアミルクを手のひらにしっかりと広げます。
  • ミディアムやロングの方は、まず500円硬貨大を手に取り、髪のダメージが出やすいバック(後ろ)の内側から、握りしめずに、髪を払うように薄く均一を心がけて塗布します。毛量によってはこれを2回繰り返します。
  • 髪の表面やサイドは、バックに比べて毛量が少ないため、手に残った少量をなじませるように塗布します。
  • 最後にコーミングをして、髪全体にムラなく広げます。

スタイリング

『ドロップエッジ2』は、ヘアアイロン前のベース剤としてもご使用いただけます。

他のヘアケアアイテムとの違い

美容室でVIGUSIウルフォフ5とドロップエッジ2でのスタイリング

アウトバスヘアケアには様々な種類があり、特にヘアミルクとヘアオイルの違い、そしてヘアミルクとヘアミストの比較について疑問に思う方が多くいます。それぞれの役割を理解し、髪の状態や目的に合わせて使い分けることが美髪への近道です。

ヘアオイルとの違い

ヘアミルクやクリームは、オイルと水系の成分を乳化剤で混ぜ合わせて作られます。しかし、乳化剤は髪から水分を奪ってしまう可能性(ウォッシュアウト現象)も秘めています。この現象を回避するためには、多層的な保水機能が必要です。『ドロップエッジ2』は、その考え方を製品化したものです。

一般的に、ヘアミルクはオイルよりもダメージ部分になじみやすく、質感の向上がしやすいという特長があります。

補足:保湿成分が大切というよりも、『保水機能によって保湿が実現される』ことが重要です。保湿専用成分は、空気中や毛髪内の水分を過剰に吸い込む可能性があり、乾燥と多湿を繰り返す環境下では、うねりやビビリ毛の原因となる「フリズ現象」を引き起こすことがあります。『ドロップエッジ』は、このフリズ現象に着目し、うねり、ごわつき、パサつきを抑制するAnti-Frizz Treatment(アンチフリズ トリートメント)として開発されたヘアミルクです。

ヘアミストとの違い

製品の選択は必要ですが、ダメージケアを重視するならミストタイプがおすすめです。なぜなら、ダメージを受けた部分は親水性(水となじみやすい性質)になるため、水ベースで成分が分散しているミストの方が浸透しやすいからです。また、粘性が低いことも内部への浸透には有利に働きます。(※ヘアカラー剤にクリーム状が多いのは、アルカリ性という特殊な条件下でキューティクルを開かせているためです。)

成分から見るヘアミルクの機能性

製品の裏面に記載されている成分表示を読み解くことで、その機能性をより深く理解できます。ここでは、特に注目したい成分を解説します。「セラミド配合」や「シリコンなし(ノンシリコン)」、「天然由来」といったキーワードも、選ぶ際の重要な指標となります。

スピリッツが選択する成分の考え方

私たちの製品開発は、「シンプルに、それぞれの機能を効果的に発揮させる」ことを信条としています。
特にヘアミルクやヘアオイルは、成分が多ければ機能性が高まるとは考えていません。洗い流さないトリートメントのタイプによって、根本から使用する成分を変えているのが特徴です。

ヘアミルクへの考え方

加水分解〜(ケラチンなど)は使用せず、水分保持性・抗酸化・親水性可塑(かそ:柔らかさ)シールドに注力しています。

スピリッツのミストタイプ

ナノ化セラミド、ナノ化脂質(エルカラクトン、クオタニウム‐33=18MEAなど)、両親媒性浸透促進剤、共有結合ケラチン、ボンディングプレックス、疎水シールド(シリコーンエマルジョン)、抱水性帯電防止成分などを複合的に配合し、ダメージケアをしながら手触りや指抜け性を向上させます。

スピリッツのヘアミルク

下図は、可塑性機能が髪のまとまりに与える影響を示したものです。

可塑性(柔らかさ機能)のレベルで、パサつき・ごわつきの抑制は変わります。解説図

  • 可塑性:毛髪を柔らかくし、おさまり感を維持する重要な機能。
  • 保湿:セラミドや脂質ではなく、3種の「保水」成分を採用。
  • 内部ケア:トリプロピレングリコール(保水、酸化安定、ゆがみ補正)、エルゴチオネイン(浸透性抗酸化)、アルギニン(保水助剤)。
  • 外部ケア:多糖類(極めて優れた抱水性)、抱水性帯電抑制成分。
  • 質感形成:ダメージ部になじみやすい親水部を持つエステルによる疎水シールド(水分保持)と可塑性機能(柔らかさ)で、パサつきやごわつき、広がりを抑制します。

スピリッツのヘアオイル

2種類のヘアオイルで、エモリエント効果による保湿的な柔らかさではなく、オイル自体の機能としての「可塑性(柔らかさ)」を求めました。柔らかさは、パサつき・ごわつきの「おさまり」に直結する要素です。

  • VIGUSI OIL:ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテルを主剤とし、『柔らかさ』『ダメージ部に馴染みやすい親水部』『蓄積しない(ビルドアップしない)疎水シールド』を形成します。スキンケア化粧品にも使用される成分です。
  • PROIL:マカダミアナッツ油(柔らかさに優れる)、アミノ酸、アスタキサンチン(植物由来の抗酸化カロテノイド)を配合。安全性と酸化安定性を考慮し、主剤のオイルには吸着精製したものを使用しています。

※プロモーションに有利なホホバオイル、シア脂、アルガンオイルを使用しないのは、目的を明確にしたプロフェッショナルなボタニカルヘアオイルだからです。


一般的な成分考察

保湿・補修成分

髪の潤いを保ち、ダメージを補修する中心的な成分です。「セラミドNG、セラミドAP」などのセラミドは、髪内部の細胞間脂質(CMC)を補強し、水分蒸発を防ぐバリア機能を高めます。「加水分解ケラチン」「加水分解シルク」は髪の主成分であるタンパク質を補い、ハリコシを与えます。
また、「ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(ペリセア=アニオン)」は極めて短時間で髪内部に浸透し、ダメージを補修する高機能成分です。
ヘアミルクには、トリプロピレングリコール、還元性抗酸化成分のエルゴチオネイン(カチオン)、アルギニンが対内部にはより良い。毛髪外部には、保水性多糖類や疎水性シールド機能を有するエステルが、より推奨です。形状(ミスト・ミルク)が違えば、推奨される成分も変わります.

エモリエント成分(油性成分)

髪を柔らかくし、艶を与え、水分の蒸発を防ぎます。「シア脂」「アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル)」などの植物性オイルが代表的です。
天然由来成分にこだわりたい場合は、これらの成分が成分表示の上位に記載されているか確認しましょう。
ヘアミルクは、水と混合してミルクにします。水との境界面は酸化要因です。よって、植物油ではなく酸化にも強いエステルが、さらに良いです。

シリコン(シリコーン)の有無

「ジメチコン」「シクロペンタシロキサン」などが代表的なシリコンです。髪をコーティングし、指通りを滑らかにしたり、ドライヤーの熱から守ったりする効果があります。
一方、「シリコンなし(ノンシリコン)」の製品は、軽い仕上がりを好む方や、根元のボリュームを維持したい方に向いています。
仕上がりの好みで選ぶことが重要です。
ヘアミルク使用の目的には、『ごわつき』『パサつき』の抑制があります。可塑性や適度のエモリエント、親水性部がありダメージ部にも馴染みやすいエステル配合品を推奨します。ドロップエッジ2が、それを選択しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 結局、どのヘアミルクを選べばいいですか?
A. まずはご自身の髪質(細い、硬い、くせ毛など)と、最も解決したい悩み(パサつき、広がり、ダメージなど)を明確にすることが大切です。
その上で、この記事で紹介した「髪質別の選び方」や「成分」を参考に、ご自身の目的に合った製品を探すことをおすすめします。

Q. ヘアミルクは毎日使ってもいいですか?
A. はい、毎日のご使用を推奨します。髪は日々、紫外線や乾燥、摩擦などのダメージに晒されています。
毎日のケアで継続的に潤いと栄養を補給することが、健やかな髪を保つ秘訣です。
ただし、ベタつきを防ぐため、一度に使う量は必ず守りましょう。

Q. カラーや縮毛矯正の後でも使えますか?
A. はい、むしろ積極的なご使用をおすすめします。カラーや縮毛矯正後の髪はアルカリ性に傾き、キューティクルが開いて非常にデリケートな状態です。
ヘアミルクで保湿・補修成分を補い、髪を弱酸性の安定した状態に整えることは、ダメージの進行を防ぎ、施術の効果を長持ちさせる上で非常に有効です。
よりダメージケアを重視する場合は、ミストタイプから選ぶのが良いでしょう。

Q. 複数のアイテムを併用(W使用)する意味はありますか?
それぞれのアイテムを単品で満足できれば、併用の必要はありません。
しかし、より高い効果を求める場合には意味があります。
ミスト + ヘアミルク: ダメージケアをしながら、髪のまとまりをさらに高めたい場合に。
ミスト + ヘアオイル: 上記と同様、お好みの仕上がりに合わせて選択。
ヘアミルク + ヘアオイル: 特に毛量が多くパサつく乾燥毛に高いまとまりや艶を求める場合に。

Q. メンズでも使えますか?
A. もちろんお使いいただけます。髪の悩みは性別を問いません。
特に髪のパサつきや広がりが気になる男性には、ヘアミルクは非常に有効なケアアイテムです。
ショートの場合は、へオイルが向くことも多くあります。

髪悩みに応じたヘアミルクの選び方【まとめ】

この記事では、ヘアミルクの多岐にわたる機能と選び方を解説してきました。最後に、髪の悩みに応じた選び方のポイントをまとめます。人気ランキングを参考にするのも一つの手ですが、最終的にはご自身の髪と向き合い、成分を比較して選ぶことが最も重要です。

  • 髪のパサつきが気になる方:高保水成分が配合されたものを選びましょう。ヘアミルクの場合は『トリプロピレングリコール』です。ミストとは、違います。
  • 髪の広がりやうねりを抑えたい方:ヘアミルクの場合は、結論として『ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル』の多機能はシリコーンベースよりおすすめです。

もう「なんとなく」で選ぶのはやめて、あなた自身の髪質と悩みに最適なヘアミルクで、理想の美髪を目指しましょう。